飼育水の水質を綺麗に保つのは、飼育用品の役目です。もとは綺麗な湧き水やRO水でも、エサを食べて糞をしたり、呼吸をすれば鰓からアンモニアのもとが出て綺麗だった水も汚れていきます。放っておくと汚れ具合が致死量を超えるので死んでしまいます。
そうならない様に飼育水を綺麗にし続けるのが飼育用品の役割のハズなので、エビの写真や絵が描かれている用品を使ってエビが死ぬとは思いもしません。そもそもエビが死ぬような物が普通に売られているなんて一般常識では考えられません。
ところが、使い始めは何ともないのですが、後からダメージが蓄積してゆっくり死んでいく症状(ポツポツ死と呼ばれています)になる飼育用品もあります。僅かに毒性がある薬品なので、水換えをすれば応急処置にはなりますが、根本的な解決にはなりません。旧アマゾニアや栄養系と呼ばれるソイル使用水槽からの移動中の中毒以外は、エビが死ぬ飼育用品が原因の場合がかなり多いです。




例1)足し水死:水槽に水道水をカルキ抜きで中和して足し水をした後に限って、ポツポツとエビが死ぬ場合は「カルキ抜き」が原因の可能性があります。市販されているカルキ抜きはハイポ(チオ硫酸ナトリウム)やハイポを溶かした物がほとんどです。微毒なので気づきにくいですが、塩素が少ない水道水ほどダメージが残りそうです。
コントラコロライン、4in1、すごいんですカルキ抜き、ジクラウォーターなどが有名ですが、他にもハイポ入りのカルキ抜きは非常に多いので、心配な場合はメーカーに確認してから使った方が賢明です。各メーカーさんには、シュリンプも死なない安全な「カルキ抜き」に改良してほしいです。当店で販売しているのはビタミン類で無害化する、塩素・重金属 中和剤 です。
例2)ヒーター死:夏の暑さを乗り切って肌寒くなった頃、ヒーターのランプが点灯しだしてから、ポツポツ死ぬ場合はヒーターの塗料が原因の可能性があります。それは、コトブキに限っての事ですが、最近聞いた話ではテトラのヒーターも機種によってコトブキと同じ症状になるそうです。中和剤と同じで微毒のため気づきにくいのですが、ヒーターのコンセントを抜いたら死ななくなったという方は大勢います。推測ですが、印刷会社の工場長をお勤めの常連様の話によるとティッシュペーパーやトイレットペーパーのパッケージの印刷に使われている塗料の中に「熱を加えると発がん性物質が発生する塗料」が見つかり、全部やり直したことがあったそうです。中国製の塗料でしたが、コトブキのヒーターも中国製なので、もしかしたら同じ塗料なのかもしれません。
例3)海水魚や珊瑚用の添加剤を代用品として使っていると、使い始めは調子良く感じるのですが、使い続けたり添加量を増やすと翌日あたりから1匹、また1匹とポツポツ死んでいく水槽になる場合もあります。私がエビ水槽に使って失敗したのは「ミネリッチ」と「アラガミルク」です。20年くらい前と思いますが、淡水用ミネラル添加材が少なかったので含有ミネラルの種類も多くコスパに優れたミネリッチを推奨するブリーダーさんも多かったので当時使ってしまった方も多かったと記憶しています。アラガミルクはカルシウムリアクターに匹敵する優れた珊瑚用添加剤で、レッドビーシュリンプの白い部分の拡大写真をみるとライブロックの石灰層に似ていたため試してみた事があります。ソイル水槽の下がり過ぎたPHも上昇させるので、PHショックに気を付けながら使っていると初めは調子が良かったです。やはり時間がたつにつれポツポツ死んでいく水槽になるので、追求せず使うのをやめました。「ミネリッチ」も「アラガミルク」海水水槽用の優れた製品ですが、淡水では必要のない成分が蓄積されて濃度障害になっているのかもしれません。


