とりあえず長めの前置きです
漠然と外部フィルターと言っても、使わない方が無難な種類や条件付きな種類もあります。 まともな外部フィルターはろ材ケースの面積に対する水流の速度が考慮されていて尚且つそのスピードが変化しない耐久性のあるモーターを採用しています。それでなくても外部フィルターは酸欠になりやすい構造なので、水流に変化されると濾過材に棲みついているバクテリアにとっては死活問題です。
まともで代表的だったのがワーナーランバート時代のドイツ製のエーハイムや同じくドイツ製のフルーバルが有名でした。その後、ニッソーのプライムパワーもモーターはイタリア製でフィルターケースの耐久性には問題ありましたがモーターはドイツ製のエーハイム、フルーバルと同等の性能だったと思います。フルーバルやプライムパワーは日本では廃盤になりましたが、エーハイムは今も流通しています。しかし、現在日本で販売されている物はヨーロッパ市場のドイツ製ではなく、コストダウンした中国製で、個体差はありますが約1年以内でカタログ通りの水流が弱ってしまいます。見分け方はモーターヘッドの刻印でわかります。(made in west germany または made in w-germany)


同じ中国製でも、当時の日動のウイズダムや台湾製のジャレコの外部フィルターは流量も耐久性も優秀でした。
現行ではGEXのメガパワーは水中モーターと本体が離れているので、純正の中国製モーターをカミハタから発売されているイタリア製のネワシリーズに交換すると調子よくなります。濾過材の入るフィルターケースの面積に合った流量のネワシリーズを選ぶ必要はあります。


コトブキの初代のパワーボックスは濾過材を全部、セラのシポラックスにすると強力な濾過能力が得られます。しかし、約7年でモーターが劣化するのか水流が遅くなり買い替える必要がありました。コストパフォーマンスを考えると悪くないフィルターと思いました。しかし、2代目になると約5年で水流が落ち、3代目は私は使ったことはありませんが、知人の話では約3年でそれまでの水流が少なくなってしまうそうです。
テトラはモーターが弱く、多くのクレーム対応のため、バイパスを作ってしまい、見かけの水流は確保されても濾過材に水が行きわたっていないので、止水域が多く、使いこなすのは難しそうです。何のための外部フィルターか私には理解できませんでした。
現行でまともな外部フィルターは、ADAのスーパージェットフィルターだけになってしまいましたが、ES-600だけは他の機種よりフィルター面積に対して水流が遅いモーターを採用しているのでろ材の種類や量に気を使う必要があります。

前置きが終わり、ここからが本題です。まともな外部フィルターというのが前提です。
外部フィルターは構造上有機物の分解やアンモニア、亜硝酸を分解する濾過能力はそれほど高くありません。それはホースから飼育水が入り濾過槽を通り水槽に戻るまで酸素は供給されず酸欠になりやすいからです。酸素が間に合うほどバクテリアの数が少なければ問題ありませんが、水草や魚の数も限られてしまいます。
それでも外部フィルターを選択するメリットのひとつは、CO₂を逃がし難く上部の光源を邪魔しない特徴から、水草水槽を立ち上げる場合に選ばれます。ふたつめのメリットはフィルター内で酸欠になると硝酸塩(NO₃)の(O)を酸素として消費しますので硝酸塩(NO₃)を窒素(N)にする脱窒フィルターとして有効です。そこで、注意する点ですが、水草水槽は比較的魚の数が少なく小型魚がメインになるので餌の量も少ないと思います。シュリンプ水槽では魚水槽と比べ極端に餌の量は少ないですね。
すると硝酸塩の生産量も少ないので、外部フィルター内で脱窒が進むと硝酸塩がなくなり硫化水素が発生しやすくなります。とはいえ観賞魚水槽では微量なので、場合によってはフィルターからの水流が当たる底床に藍藻がはびこります。見た目は悪いですが藍藻はシアノバクテリアの一種で硫化水素を消費してくれます。藍藻は排除しようとするより発生原因を改善しようとする方が賢明と思います。
また、もっとひどい場合は硫化水素は水槽内で硫化鉄になり、ろ過材がこげ茶色や黒色になったり、リセット時にソイルに接触していた水槽ガラス面がこげ茶色に塗装されたようになります。それでも魚は以外にも平気な種類が多いですが、シュリンプは既にほぼ壊滅になっていると思います。
外部フィルターというのは万能ではなく、リスキーなフィルターなのですが、約10年前はシュリンプの繁殖は外部フィルター+パワーハウス+旧アマゾニアというのが定番になっていました。それは、旧アマゾニアから滲み出るアンモニアのお陰で硝化菌のエサが絶えず供給され、硝化によって硝酸塩が豊富なため脱窒菌は酸素源に困らないため、色んなバクテリアが大繁殖するので一定期間はシュリンプも大繁殖する水槽が出来上がります。
ところが、旧アマゾニアにも個体差があり、アンモニアの溶出にも限りがありますので、アンモニアがなくなると硝化菌のエサがなくなり、硝酸塩の生産量も減り、脱窒菌の酸素源がなくなり硫化水素発生菌がはびこりますので、リセット時期を見誤るとシュリンプは爆死します。これはギャンブルに通じるものがあるように感じています。
ということで結論は、エサの量が多い大型魚の混泳水槽やハンバーグを多く与えるディスカス水槽または旧アマゾニアがアンモニアを溶出し続けている水槽など、いくら脱窒しても硝酸がなくならない水槽では外部フィルターは有効ですが、そうでない水槽に外部フィルターは万能どころではありません。
硝酸塩の少ない水草水槽の対策として、ADAから発売されているグリーンブライティ ニトロは水草の窒素源の補給だけでなく脱窒菌の酸素源補給にかなり有効だと思います。シポラックスやパワーハウスのように表面積が広くバクテリアの棲み処が多い高性能濾過材ほどバクテリアの数も多く酸素の消費量も多いと思われますので効果的です。
余談ですが、現行の中国製エーマイムを使用中で問題ない方もいらっしゃると思います。濾過材は純正のエーハイメックとサブストラットプロの場合が多いと思います。エーハイメックは濾過槽内に一か所から入った水をフィルターケース全体に分散するのが役目のリング濾材です。なのでバクテリアの棲み処はサブストラットになりますが、表面積は少なく濾過能力は低いです。バクテリアは少数しか棲み込みできませんが、エビや魚の数が少なければ糞も少ないので糞を分解するバクテリアも少数で間に合うと思います。バクテリアの数が少なければ酸欠にはなりにくいのでそれなりの水槽は出来上がると思います。エビが増えたり、魚が大きくなったりするとエサの量が増えるので、注意は必要です。

