店長豆知識カタログ 失敗を繰り返してしまう方へのアドバイス

よく質問されるのですが、①簡単な水草はどれですか?②丈夫な熱帯魚はいますか?③レッドビーシュリンプは難しいですか?
この3つの質問は私には全部同じ様に聞こえるのですが・・全て生き物ですから水質が適正範囲内であれば水草は光の種類も含め、①②③はどれも丈夫で簡単になります。
ですから「これを飼いたいのですがどうすればいいの?と質問されると「これとこれを使うとよいですよ」とアドバイスができます。

要は、『何を使うか』だけなんです。あとは飼い主の気配りですね。

最初はホームセンターで水槽一式を揃えて、水を一週間以上うごかしているから・・という人や、道具はネットで全て買ってあとは生体だけ、という人が多くセット内容を聞くと、例えば私がそれらを使ったら失敗する自信がある物ばかりです。
来店されるお客様のほぼ皆さんに共通する事は、もうすでにネット販売やホームセンターで道具や生体を購入し、水草は枯れ、魚やレッドビーシュリンプ等の生体は死に・・こんなふうに失敗しているというケースです。
自分が下手とか初心者だからではなく、「この道具、このセット内容では繁殖は成功しない」と言う事実を経験した事になります。
例えば私は「某メーカーのOOジャリ」を底床に使い3ヶ月でレッドビーシュリンプを全滅させた事があります。

私はきっと皆さんより多くの失敗をしてきました。レッドビーシュリンプ達にはかわいそうな事をしてしまったと思っております。ですからこれから始める方や、失敗経験のある人になるべく失敗しない様にという思いでアドバイスさせて頂いております。しかしながらホームセンターやネット上では、様々な商品が様々な価格で溢れて、使用した事のない人が使った事もない商品を販売しているのが現状です。
それが当たり前のようになってしまい、更に「うまくいっている人=環境に恵まれた人」や「それを仕事にしている人」のブログ等を参考にするのが一般常識化しております。
それでうまくいく人はそのままで良いのですが、しかし、有名なブリーダーさんの記載されている情報をそっくり真似てもうまくいかないお客さんをたくさん見てきました。中には水槽全部に必要な分の水までもらってきても一ヵ月後にはポツポツと死にはじめリセットを余儀なくされた方なんかもいます。事実、私自身そのうちの一人でしたから。。

誤解してほしくないのですが、ネット情報や有名ブリーダーさん全員がうそを言っているわけではありません。
利害関係のほとんどない一般のブロガーさんを信じたい傾向と言うのも頷けます。しかし、環境に恵まれた人の成功例をいくつマネても普通環境の方は上手くいかないほうが普通ですし、特殊な環境で工夫している人をマネても当然失敗してしまいます。水槽の環境が同じなのに引越しなどで水や家、空気に住むバクテリアの種類が変わりダメになってしまったなんて事と同じなんです。

よく考えてみると一部の有名ブリーダーさんを含め、一般のネット情報というのは(レッドビーシュリンプ・熱帯魚に関しての主にブログ)環境が恵まれた人たちが書いています。失敗例はほとんど表に書かれません。ですから始めたばかりの人は1~2回失敗すると自分は下手、無理と思い込んでしまいます。でも初心者とか「腕」とか関係ないんです!重要なのは「何を使うか」だけです。

だって人間なんて水槽に水をはって機材をセットして電源入れるだけなんですから。

水質管理や水を綺麗にするのはソイルやバクテリア達がやってくれます。「腕」があるとすれば、繁殖するレッドビーシュリンプ達を区別し掛け合わせをする「選別眼」だと思います。

どれを種親にして理想のレッドビーシュリンプを作り上げるか。という所がトップブリーダーと言われる人達のズバ抜けた所だと思います。
そういう部分を参考にしたりモチベーションを上げたりと刺激を受けるのはいい事だと思います。

私も簡単な方法を見つけるまでは大変でした。
試しまくるだけですからダメだと思ったら水を抜き、ソイルを捨て水槽を荒い、また新たなソイルを仕入れて・・と、時間と労力とお金が無駄になる日々でした・・
でも、簡単な方法を見つけると当然ですが簡単にできるようになります。そうなるとどう選別するかが重要なポイントになってきます。
そこまで来ればこの趣味の面白いところです!

一番言いたい事は、レッドビーシュリンプを楽しむには色々な方法がありますが、一度失敗したらそれは失敗する方法なだけで、くれぐれも「自分は下手だ、とか向いていない」なんて思わないで下さい。1つ経験を積んだのですから同じ事を繰り返さなければ良いだけなんです!

魚と違い、小さなレッドビーシュリンプはちょっとした事で死んでしまいます。水草に付着している農薬、バルサンやダニアース、キンチョールにゴキジェット、スキー等の防水スプレー、ペーハーブロック、ニセパワーハウス、また硫化水素を生産する外部フィルターなど・・

趣味のレッドビーシュリンプの生存繁殖を思う気持ちから、自然保護や多くの環境問題を考えさせられたきっかけでもあります。
「熱帯魚も大丈夫だから薬品などで調節しギリギリ(無理やり?)飼う」のではなくてレッドビーシュリンプが生きられる水槽と環境で「カワイイ・癒される」インテリアとしてではなく自然の仲間として飼ってあげたいですね。